全自動分取精製 LC システム GILSON PrepHPLC System


■ 大容量インジェクションボリューム: 最大 100 mL まで対応
■ 新開発 シリンジレス/リキッドハンドリングポンプを採用
■ ソルベントセレクターで5種類までの溶媒が使用可能
■ ダイレクトインジェクション方式で、サンプルロス・キャリーオーバーなし
■ 分取スケールに対応した様々なサイズのサンプル容器・フラクション容器が使用可能
■ 広いワークスペースで大量(多サンプル)処理が可能
■ 様々なフラクショントリガーに対応
■ ODS カラムに保持されない高極性成分の回収にも対応
■ 難溶性サンプルインジェクション後の析出による詰まり、大容量サンプル注入時のカラム保持不良にも対応

ハイスループットデザイン

インジェクション・フラクションシステム

設置スペース削減にも貢献するサンプリングインジェクターとフラクションコレクター1台2役の機能を装備。 大流量対応型で、サンプルロスを極限まで抑える数々の特徴を備えたシステムです。

■ 大容量インジェクションが可能: ダイレクトインジェクション方式により、サンプルロス・サンプル間キャリーオーバーがほとんどないインジェクションが可能。
■ 高流速への対応: サンプルインジェクション時のシステム背圧急上昇が無く、200 mL/min の下でのインジェクションが可能。 フラクションバルブも 200 mL/min の大流量対応。
■ 確実なプローブ洗浄機能: Model GX-281 ではジェットウオッシュリンス機能により、少量の洗浄液で短時間にキャリーオーバーを極小化する洗浄が可能。 リンスポートの複数設置により異なる溶媒での洗浄も可能。
■ 切り替え速度が早く、内部容量が小さいフラクションバルブ: 切り替え速度が遅いと高流速分取時にサンプルロスの可能性がある。 バルブ切り替え速度は < 200 msec. と非常に高速。 内部容量はわずか 10 µL。

100 mL の大容量サンプルインジェクションが可能

シリンジポンプのストロークボリュームに依存しない、ギルソン社独自のシリンジレスポンプを採用することで、迅速・正確な大容量サンプルインジェクションが実現します。
サンプルループの選択により最大 100 mL 以上のサンプルをアプライできます。
インジェクションポンプを用いる大容量インジェクション方式に比べ、キャリーオーバーが少なく多サンプル処理に適しているため、溶解しにくいサンプルや中圧カラムなどでのハイスループット精製にも対応します。

ローデッドボリューム/ローキャリーオーバー設計

● ダイレクトインジェクションバルブ : ギルソン独自のダイレクトインジェクションバルブ採用により、サンプルインジェクションの際のサンプルロスが最小限に抑えられます。
● ジェットウォッシュリンスステーション : 従来のリンス方式に比べ低キャリーオーバーでなおかつ使用溶媒量が少なく、所要時間も少ない画期的なリンス方式です。 複数のリンスステーションを設置すれば複数溶媒でのリンス作業にも対応します。

複数の研究者でも使いやすい広いワークスペース

GX-281 の広いワークスペースにより、複数の研究者がシステムにアクセスする場合も、ワークエリアをシェアしながら同時に効率よく作業を行うことができます (オープンアクセス機能)。
25mL 試験管であれば 420 本、200mL ボトルなら 162 本までサンプル容器やフラクション容器の設置が可能です。 設定容器の自由度も高く、1L / フラクションの大容量フラクションや分解しやすいサンプルの冷却、ナスフラスコや 6" NMR チューブなどへのアクセスも可能です。

高純度・高回収率・シンプル操作

的確にピークを認識する多彩なピーク検出設定

不純物の少ない高純度のピークを得るために TRILUTION™ LC ソフトウェアではスロープ、レベルの基本的設定の他に精製LC用の多彩なピーク検出設定が可能です。サンプルにあわせて最適なピーク検出方法を簡単に設定できます。
● 最大3チャンネルフラクショントリガー設定可能
貴重なサンプルを確実に分画するためフラクショントリガーシグナルを最大3チャンネルまで設定。吸光極大の異なる複数化合物の分離や ELS 検出器を増設しての未知化合物や UV 吸収のない化合物の検出、精製も効率よく行います。
● 左右非対称なピークも確実にフラクション
ピークの上り下りそれぞれで異なったピーク検出パラメーターの設定が可能です。 テーリングピークやショルダーピークでもメインピークの高純度精製が可能です。
●フラクションシミュレーター機能
新機能フラクションシミュレーターはピーク検出設定がどの様に反映されるかをあらかじめ画面上で確認することによって高純度精製を確実に行います。

サンプル回収最優先の安心設計

● マニュアルアドバンス機能
フラクションウィンドウ実行中には、フラクションコレクターをマニュアルで動作することができます。 リアルタイムのクロマトデータを確認しながらのマニュアルフラクションや何らかのトラブルにも即座に対応してサンプルの回収を行えます。
● トラブル時でもサンプルは回収
カラムスイッチングモジュールまたはマルチフラクションオプションを増設することで配管の詰まり、ディテクターの汚れなど何らかのトラブルでプログラムが中断してしまった場合やピークを正常に検出できなかった場合でも、サンプルロスのリスクを最小限に抑えることができます。

ユーザーフレンドリーなグラフィカルインターフェース

● わずか5ステップですべての操作完了
オープンアクセス機能によりデバイスコントロール、データ解析、レポートまでをトータルにサポートします。ソフト立ち上げから、ユーザーログイン、アプリケーションの選択、サンプルリストの登録、分取実行、結果確認とわずか5つのステップで使用することができます。
● 多彩なデータ解析
サンプルトラッキング機能によりクロマトデータから、由来サンプル/目的化合物がどこにフラクションされているのかひと目で確認できるため目的化合物の回収が容易に行えます。 またユーザーの目的にあわせた自由なレポート編集が可能です。
● データ・ファイルの一括管理
プロジェクトライブリー画面でのデータおよび設定ファイルの一括管理が容易に行えます。複数の研究者で使用する場合でも、担当者ごとのファイルやデータを容易に呼び出すことが可能です。 新規アプリケーション作成の場合でも、ドラッグアンドドロップによるグラジエント設定やフラクションパラメーターの設定が簡易です。
● FDA 21CFR Part11 対応
TRILUTION™ LC ソフトウェアはシステム管理、ユーザー管理、実行動作記録保存、メソッドファイルの記録・保存などの管理機能により、FDA 21CFR Part11 に対応しています。

高い拡張性

ギルソン社の分取精製 HPLC システムは、世界規模で事業展開する製薬会社、化学会社ライフサイエンス、環境分野、大学・官公庁の研究開発などで広く使用されています。 様々なデバイスの追加により各分野のニーズに沿うシステム構築が可能な点が特長として高く評価されています。

マルチプルフラクション
検体数が増加した場合にボトルネックとなるフラクションスペースを、フラクションコレクターを追加することにより解消できます。 またピークとノンピークを取り分けるなど目的物に応じてフラクションコレクターを切り替えて使用することも可能です。 最大4台までのデバイスが追加できます。

サンプル前処理/後処理を強力にサポート
リキッドハンドラーは、オートサンプラー/フラクションコレクターとしてのみならず、サンプルの前処理・後処理を行うロボットとして大いに性能を発揮します。 合成サンプルの液—液抽出や NMR プローブへの分注およびサンプル調製、天然物サンプルの前処理として固相抽出(SPE)処理を加えた2次元精製など様々なニーズに対応します。

ODS カラムに保持されにくい、高極性サンプルも確実に分取

分取精製 HPLC においては TFA-ACCN 系による ODS カラムの使用が一般的ですが、高極性成分は ODS カラムに保持されにくく、スルーに溶出されてしまいます。 高極性成分はすなわち水溶性、薬剤として何らかの意味を持つ成分が多く含まれています。

従来のシステムでは取り逃していた極めて高極性成分を確実に分取するため、ギルソン社分取精製 HPLC システムでは以下2つのソリューションをご提案しています。

HILIC カラム導入によるリクロマト機能の追加

HILIC (Hydrophillic Interaction Chromatography) は親水性相互作用による分離モードで、極性の高い充填剤を用いた一種の順相クロマトグラフィーです。 溶出グラジェントパターンは逆相モードの逆で、有機溶媒リッチな条件から水系リッチな条件へと変化させることにより、極性の高い成分がより遅くカラムから溶出する特徴があります。

極めて極性の高い製薬や生体低分子の分離分析への挑戦として、弊社取扱いの SEPAX 社は、塩基性、中性あるいは酸性である高極性の化合物分離用に、弱酸性、中性、塩基性の固相をもつ一連の HILIC カラムを提供しています。 SEPAX 社では高純度シリカと高純度リガンド試薬の採用で、HILIC 結合相は最大の表面被覆により極めて安定性の高いものとなっています。 モノレイヤー形成のケミストリーは完全にコントロールされ、ロット間、カラム間の高い再現性が特長です。

従来の分取精製 HPLC システムにスイッチングバルブモジュール (Model ValvemateⅡ) を追加導入し、ODS カラムと HILIC カラムの選択可能な構成にします。 ODS カラムへインジェクションされたサンプルのスルー溶出分画を、 GX-281/SS-pump インジェクション・フラクションシステムで分取。ODS カラムでの全ての分取終了後、HILIC カラムへ流路を切り替え、ODS カラムのスルー溶出分画を再インジェクション。 高極性成分の回収だけでなく、分離精製までも行えます。

【追加コンポーネント】 (作業費別)
  Valemate Ⅱ valve actuator
  Preparative 2-position 6port valve
 以上2コンポーネント。

難溶性サンプルインジェクション時の析出による詰りと、大容量インジェクション時のカラム吸着不良防止対策

ODS カラムを使用する逆相クロマトグラフィーでは、サンプルインジェクション時は高極性の水系リッチな移動相が送液されています。 極めて低極性なサンプルなど、難溶性サンプル溶液をインジェクションする場合、サンプルインジェクションと同時に配管内で高極性移動相に触れたサンプル溶液から析出が発生し、カラムまでの配管内を完全にブロックしてしまうことがあります。 ブロックが発生するとシステムは緊急停止し、ブロック除去には送液系のマニュアル制御による洗浄作業や、インジェクターからカラムまでの配管部分の分解洗浄が必要となり、大幅なシステムダウンタイムの発生が避けられません。
また、サンプルインジェクション容量が大きい場合、低極性のサンプル溶解液の影響でサンプルがカラム樹脂に吸着せず、インジェクション直後にそのほとんどがスルーに溶出されてしまうトラブル発生の可能性があります。

逆相系分取精製システムにおけるインジェクション時の詰まり防止と大容量インジェクション時の非吸着トラブルを防止し、安定した生産性を確保するため、エムエス機器では At Colum Dilution (ACD) 技術をソリューションとして提案しております。

At Column Dilution 法の原理
通常の分取精製 HPLC の流路では、サンプルインジェクターは送液部(ポンプ)とカラムインレットの間に位置しています。 ACD 法では、インジェクターを図A または図B の位置に配置します。 

図A の場合、送液系とは別の 「ローディングポンプ」 をシステムに追加導入し、ローディング液 (送液系におけるB溶媒 -逆相クロマトグラフィーではアセトニトリルやメタノールといった低極性溶媒- またはサンプル溶解液) を低流量で送液して ABポンプによる送液系ラインと合流させます。 サンプル溶液は送液系ラインの移動相で希釈されてカラムインレットへと運ばれます。 高濃度サンプルの一気の析出による流路ブロックや、大容量サンプルインジェクションによるスルー溶出トラブル (サンプルの流失) を確実に防止します。

図B の場合は B溶媒(逆相クロマトグラフィーではアセトニトリルやメタノール等の低極性溶媒)を送液する Bポンプアウトレットとミキサーの間にインジェクターを配置する簡易型配管となります。 この場合は A100% の組成では B液の送液は停止していますので、 A100% からグラジェントスタートするパターンではサンプルインジェクションが不可能となります。

既存システムへの ACD ライン導入
既存の分取精製 HPLC システムへ ACD テクニックを導入するには、システム配管の接続変更を伴うため既存の分離分取条件を損なう可能性もあります。 そこで、Elute ポンプ(Dilute ポンプ)とスイッチングバルブを導入し、既存のシステム配管を温存しつつ、必要に応じて ACD テクニックを活用することもできます。 

【追加コンポーネント】 (作業費別)
  Model 307 pump
  10SC pump head
  Valemate Ⅱ valve actuator
  Preparative 2-position 6port valve
 以上4コンポーネント。

ACD 法による分取の実例
ACD 法では、サンプルローディングに B溶媒またはサンプル溶解液という、逆相クロマトグラフィーではカラムからの溶出効果のある移動相を用いるため、カラムへのサンプル吸着は通常のグラジェント法に比較すると若干乱れ、カラム本来の理論段数に見合うセパレーションパターンの実現は難しい場合もあります。 しかし、分取精製 HPLC におけるメインピークと周辺夾雑物の分離と精製には深刻な影響はほぼありません。 実例のように、多少ピーク形状の乱れは生じる場合もありますが、システム制御ソフトウエア Trilution LC のハイレベルなピークサーチ機能により確実に目的物を分取します。

エバポレイティブ光散乱ディテクター


未知物質の分析には、検出器として UV / VIS ディテクターを用いるだけでは思いがけない落とし穴があるのではないでしょうか。
ELSD (Evaporative Light Scattering Detector) は、その検出原理により、物質のもつ吸光係数に依存することなく、絶対量がピークサイズに反映されます。UV / VIS ディテクターに加えて ELSD を取り付けるだけで簡単に、あらゆる成分の検出と重要な定量的データを得ることができます。
正確なエアロゾルのスプリットコントロールにより、あらゆる溶媒(移動相)・グラディエントや高流速のクロマトグラフィーにおいても検出条件の最適化が可能な ELSD です。

分取精製 HPLC システムの UV / VIS ディテクターからの溶出液をスプリットして、その一部を ELSD へ導入し、大部分の溶出液はフラクションコレクターの分画口に接続します。 ELSD での検出シグナルは、TRILUTION LC™ ソフトウェアに取り込み、あらゆる形状のピークを認識してフラクションコレクターの動作をコントロールします。 スプリット比率やディテクター検出とフラクションとのディレイは正確にコントロール可能で、さらに TRILUTION LC™ ソフトウェアによって最適化されます。

確実な ELSD トリガーを行うためには

右のクロマトグラムは、合成物粗生成物の ELSD トリガー方式での分取データ(100 mL/min.)で、ターゲットピークと不純物ピークの両方を分取しています(ブルーの塗りつぶし部分)。
大流量クロマトグラフィーにおいて、わずか 10 秒程の溶出ピーク部分を、ほぼ 100%の回収率で分取が実行されています。
その秘訣とは・・・


ELSD トリガーにて、このような高流速かつ幅の狭いピークを高純度かつ高回収率で分取する場合、分岐した場所から ELSD までと分取口までの時間的距離が同じであることが非常に重要なポイントです。 しかし、チューブの長さや内径などを考慮した“ディレイ”を理論的数値に基づいて設定したにもかかわらず、ELSD にサンプルが入ってくるタイミングと分取するタイミングがずれることがあります。 正確なタイミングを確保するには、チューブ・コネクター・分取ニードル等の内径誤差やスプリット比を考慮したパラメーター設定(実測値を用いて)が必要となり、時にはダイリューターやメイクアップポンプなどを用いた補正が必要となります。

アプリケーションリスト

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