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自動化(オートメーション) FAQ

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自動化とは

自動化とは

ここで言う自動化とは、主に理化学関連の実験などにおいて手動でおこなっている作業を何らかの装置を利用して人の手を介さずにおこなうことを指しています。

どのような作業を自動化するかによって利点は異なりますが、一般的には高再現性・終夜を含めた長時間の間違いのない繰り返し動作が可能・危険なサンプルや試薬から人を遠ざけられるなどがあります。
個々の案件において自動化にはいろいろな目的があるかと思いますが、どの案件であっても最終的な目標は作業の省力化や省コスト化あるいは全工程トータルでの時間短縮などが含まれると考えます。

すべての工程を自動化する全自動化は人的資源の省力化には良いものの、技術的なハードルが高かったり信頼性の担保が困難であったりするだけでなく、システム化までの時間的・金銭的コストが莫大なものになるといったことがある場合が少なくありません。

したがって自動化を考えるにあたっては、全工程の流れを明らかにした上でどの部分を自動化することが効果的であるのかを考えることが大切 です。 部分的な自動化であっても装置の特性を生かした導入を考えることでトータルでの生産性向上に貢献することができるはずです。

自動化の装置にはどのようなものがあるでしょうか (その1)

一般的には、洗濯機や空調機、自動車 (これはいまのところ半自動ですが) などが思い当るのではないでしょうか。 しかし、ここでは弊社が関連する分野での自動化装置について考えたいと思います。

理化学の一部の分野では、マイクロピペットというものが良く用いられます。
これは、使用者が容量を指定して手動で液体の吸引操作をすると指定容量が吸えるという器具です。容量を指定したり吸引 (吐出) 動作は手動なので、マニュアルピペットなどとも呼ばれます。

では、このマニュアルピペットを使った一連の実験を自動化する装置にはどのようなものがあるのでしょうか。

まず考えられるのが電動式マイクロピペットです。
電動式では、一般に容量の指定は手動ですが吸引吐出操作はボタンを押すだけです。 つまり電動式ピペットは、マニュアルピペットの吸引吐出操作を (半) 自動化したものと考えることができます。

さらに、電動式ピペットの中には複雑な容量の変更をあらかじめプログラムできるものもあります。これは吸引吐出操作だけでなく容量指定操作も自動化したものと考えることができます。

一日に百回も操作をしなければならないような場合、マニュアルピペットではとても大変ですが、このような電動式ピペットを導入することでかなりの省力化ができることは容易に想像できますよね。

(その2 へ続く)

自動化の装置にはどのようなものがあるでしょうか (その2)

(その1 からの続き)

その1では、マニュアルピペットを起点とした自動化装置の例として電動式ピペットを取り挙げました。
ここでは、さらにハードな作業について考えていきましょう。

ピペットの吸引吐出操作を一日に何百回もするケースを考えてみましょう。
どのような作業があると思いますか。

ひとつ考えられるのはマイクロプレートに液体を入れる (この操作を分注と言います) 場合です。
マイクロプレートとは、手のひらサイズくらいの板状のプラスチックに液体を入れる穴 (ウェル) がたくさん (24 とか 96 とか 384 とか!) あるもので、ライフサイエンスの実験などによく使われます。 各ウェルにサンプルや試薬を入れていろいろと実験するのですが、マイクロプレート1枚でもウェルの数が多いですから何度も分注操作をしなければならないわけです。 1枚だけでも作業が大変なマイクロプレートが何枚かあったらどうでしょうか。 いくら電動式ピペットでも手は動かさなくてはならないわけですし、数が多ければ単に疲れるだけでなく、ウェルを間違えてしまうかもしれません。 このような場合はどうしたら良いでしょうか。

(その3 へ続く)

自動化の装置にはどのようなものがあるでしょうか (その3)

(その2 からの続き)

一日に何枚もマイクロプレートを処理しなければならないような場合に便利なのが自動分注ロボットです。(ロボットと言ってもロボコップみたいなのではないですよ、将来はわかりませんけれど・・・)

例として写真を載せました。
このロボットには液体を分注するためのヘッドとそれを前後左右上下に動かすアームが装備されており、使用者はマイクロプレートやその他の容器などをワークエリアに設置して、あらかじめ設定されたプログラムをスタートさせるだけで思い通りの動作をしてくれます。 ワークエリアはある程度の広さがありますので複数のマイクロプレートを置くことも可能です。 このような自動分注ロボットを導入すれば、マイクロプレートを複数処理しなくてはいけない場合でも最初だけ操作することで自動に作業が進められるというわけです。
その間に使用者は他のことができるから生産性が向上しますよね!

(その4 へ続く)

自動化の装置にはどのようなものがあるでしょうか (その4)

(その3 からの続き)

マイクロプレートが数枚であれば その3 で挙げたような自動分注ロボットで処理が可能なのですが、もっと大量のプレートを処理しようとすると、最初から全部のプレートは置けないので使用者がプレートを交換しなくてはなりません。 あまり忙しくないときはそれでもいいかもしれませんが、それでもプレート交換のために何度もロボットの元へ足を運ぶのも大変ですし、交換するのを忘れたりすればそれだけダウンタイムになります。 ということで、やはり可能であれば、一度スタートしたらすべてのプレートの作業を完了するまで自動で進めたいものですよね。 そこで活躍するのがプレート交換マシーン?です。

このロボットは、液体操作には関与せずプレートの移動のみを担当します。

あらかじめプレートを大量にストックしておき、それを必要に応じて必要な場所に出したり、自動分注ロボットが作業し終えたプレートを回収したり、別の装置へ送ったり、自在にプレートを操れるので他の機器と組み合わせて目的に応じた複雑なシステムを構築することが可能になります。

自動化の装置にはどのようなものがあるでしょうか (まとめ)

その1 から その4 までのまとめです。

ひとえに自動化装置と言っても色々なタイプがありますので、ここではすべてを取り挙げることはできませんが、液体を吸引吐出作業するという観点からここまでに登場した装置を順にまとめました。

まずは完全に手動の「手動ピペット」です。
容量の設定も手動でおこないますが、設定すれば吸引容量がその容量に固定されるという意味ではホールピペットよりはちょっぴり自動?と言えるかもしれませんけれども、基本的にはすべて手動ですね。

次は「電動ピペット」です。
これは吸引吐出をボタン一つでおこなえるという点で半自動ピペットと言えるかと思います。
何度も吸引吐出作業する場合は手動ピペットに比べて格段に省力化できます。

3つ目は「自動分注ロボット」でした。
電動ピペットは、ピペット自体は手で動かす必要がありますし吸引吐出の都度ボタンを押す必要がありますが、自動分注ロボットは最初に作業をスタートさせれば途中で何かする必要はありません。 もちろん使用者がピペットを動かす必要もないし容量の変更もあらかじめ設定されたプログラムに従っておこなわれますので、自動化装置と呼ぶにふさわしい装置ですね。

最後は「プレート運搬ロボット」です。
3つ目までが液体を扱うロボットだったのに対して、これはマイクロプレートを運ぶためのロボットです。
何かを自動化するときには、ある一つのロボットだけでは対応できないというケースが多々ありえます。 世の中には最初からいろいろと機能が組み込まれた装置というものもありますが、必ずしもすべての要求に応えられるわけではないので、いくつかの各専用装置を組み合わせてシステムを組むというケースも少なくありません。 そのような時にはこのような装置と自動分注ロボットを組み合わせるといった対応が可能です。

弊社では、過去いろいろな自動化案件を手掛けてきました。
このようなことを自動化できないだろうかというようなことがありましたら、ぜひ一度弊社にご相談ください。

自動化の装置はどのようなものを取り扱っていますか

弊社で扱っている主な自動化の装置は基本的に液体操作をおこなうためのロボットです。
(プレートの運搬をするロボットもあります)

動作としては、液体の吸引・吐出・混合などができます。
またディスク状フィルターなどを用いることにより濾過をしたり固相カラムカートリッジを用いて抽出作業をすることもできます。

チップ式のロボットもありますので、DNA などを扱う目的にも対応できます。

自動化ロボットで何らかの処理をした後、そのまま HPLC などの分析装置へインジェクションできますか

弊社が扱っている自動化ロボットにはインジェクターを装備することができるものがありますので対応可能です。

自動化ロボットから別の機器を動かしたり連動させることができますか

弊社が扱っている自動化ロボット多くには 24V の外部出力端子が装備されています。
細かい制御はできませんが、それを利用して動きをオンオフするなどの対応が可能です。 また、コンタクト信号を受ける端子が装備されていますので、外部信号を受けて動き始めるなどの動作をすることが可能です。

自動化ロボットを使うにあたって容器は専用のものを用いる必要がありますか

特別な場合を除き、汎用の容器を流用できます。 さまざまな容器に合わせたラック(左図: 容器を置いて位置を固定するパーツ)が用意されており、プレート用のラックもあります。 また、ラックには温調を取れる (別途外部装置が必要になる場合もあります) ものもあります。
既存のラックで対応ができない場合はカスタムメイドで対応することも可能です。

自動化ロボットを使うにあたって強酸溶液や有機溶媒を使用することはできますか

通常、自動化ロボットは金属製のニードルを用いて液体の吸引・吐出をおこない(プラスチック製のチップを用いるロボットは除く)ますが、腐食対策が必要となる場合は材質・コーティングなどの検討により対策を講じますので多くの場合対応可能です。 また、自動化ロボットの本体は基本的に金属で構成されておりますので、状況に応じて本体側にも対策が必要になる場合があります。

有機溶媒に関しては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、DMSO など多数実績があります。

自動化の実績はどのようなものがありますか

固相抽出や液液抽出、プレートコピー、分光光度計での吸光度測定、溶解度試験、pH 測定、無機分析 などがあります。 細かい点を含めれば、基本的に自動化はお客様の目的それぞれに応じたカスタムが必要になります。 これまでに実績がないアプリケーションであっても、お客様と相談の上、実現できるよう進めてまいりますので、まずはご相談ください。