ウェスタンブロットの直線性 FUSION - Chemiluminescence Imaging System

HRP によるウェスタンブロット
ウェスタンブロットの検出方法では主に Horse Raddish Peroxidase (HRP) 標識二次抗体を用いた “化学発光法” による検出が用いられています。しかし近年ではより定量性に優れているという理由から蛍光標識二次抗体を用いた ”蛍光法” による検出も行われています。

しかし、蛍光法では化学発光と比較して蛍光シグナルが弱く、また励起光の照射により生じるメンブレン自家蛍光がバックグラウンドになるなどの課題があり、微量のタンパク質の検出という点においては化学発光法に利点があります。

本項では、化学発光法による検出でどの程度、直線性が保たれているかの検証 を行いました。

化学発光法の直線性について

マイクロプレートでの検討

まず HRP 標識二次抗体の 2倍希釈系列をマイクロプレートにて作成し、全てのウェルに対して同時に ECL 試薬を添加した後、発光強度の測定を行いました。

ECL 試薬添加 直後 の測定結果
ECL 試薬添加直後では、抗体量と検出シグナル値の間に高い直線性が見られます。
つぎに、ECL 試薬添加から 1分後に測定を行いました。

ECL 試薬添加から 1分後 の測定結果
ECL 試薬添加から 1分後の測定では、抗体量の多い No.1、No.2 のウェルにて検出シグナル値が大きく減少し、抗体量と検出シグナル値の直線性が失われています。 また、No.3 以降のウェルでの検出シグナル値は、ECL 試薬添加直後とほとんど同じ値を示しています。

ウェスタンブロットでの検討

ウェスタンブロットを行ったサンプルにおいても、マイクロプレートの検討と同様の結果が得られるか検討を行いました。
HeLa cell ライセートの 2倍希釈系列サンプルを泳動し、 ECL 試薬添加直後ECL 試薬添加から10分後 にそれぞれ測定を行いました。

ECL 試薬添加 直後 の測定結果

ECL 試薬添加から 10分後 の測定結果
ウェスタンブロットでの検証においても、マイクロプレートと同様に、ECL 試薬添加直後では、抗体量と検出シグナル値の間に高い直線性が見られているのに対して、ECL 試薬添加から 10分後ではタンパク質量の多いバンドにて直線性が失われているのがわかります。

以上から HRP 標識二次抗体を用いた検出系では以下の傾向があると思われます。

・HRP の発光強度は経時的に減衰していく。

・発光強度の減衰は HRP の存在量が多いほど激しく、
    HRP の存在量が少ないほど、緩やかになる。


その為、化学発光法によるウェスタンブロットではタンパク質量が多い場合程、ECL 試薬添加後のシグナル経時変化の影響が大きく、定量が難しくなることが予想されます。

また、微量のタンパク質を検出する場合においては、長時間にわたり直線性を保たれたままシグナルを得られる為、定量は比較的容易になると思われます。

定量性よくウェスタンブロットを行う為に、 タンパク質量が多い場合は、経時的なシグナル変化の影響を受けない蛍光法、
タンパク質量が少ない場合には、検出感度に優れた化学発光法

を用いることを推奨します。

※より信頼性の高い定量が可能なサンプル量については、抗体濃度や力価、ECL 試薬の種類などによって左右されるので、あらかじめ予備実験などにて確認する必要があります。



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