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シェアストレス存在下での細胞培養システム BioFlux System BioFlux System

培地等に流れを与えてShear Stressの存在下で哺乳類細胞や微生物を培養し、
顕微鏡観察するための製品です。

Fluxion Biosciences社(フラクション バイオサイエンシズ)のBioFlux Systemは、
培地等に流れを与えてShear Stress(シェアストレス)の存在下で哺乳類細胞や微生物を培養し、顕微鏡観察するための装置です。

Shear Stressとは

私たちの体の中では、常に液体の流れが生じています。

血液やリンパ液、口腔内の唾液など私たちの体内は常に流動しており、体内に存在する細胞や細菌は流動性による様々な影響を受けています。

血液や唾液といった流体が細胞等の固体表面に接触する際に生じる力のことをShear Stressと呼びます。血管内皮細胞やバイオフィルムを形成する細菌などはShear Stressの影響で形態や機能などが変化することが知られています。そのため、Shear Stress存在下で培養・解析することは生体内環境を模倣することを意味しており、よりネイティブな細胞等の挙動を観察することが期待されています。

血管内皮細胞を Shear Stress 存在下(左)、非存在下(右)でそれぞれ培養した際の形態観察像

様々なアプリケーションに対応

Vascular Biology ~ 血管、血液に関連した細胞の挙動

血管内皮細胞は、免疫機能や癌の転移、動脈硬化などの血管内の現象に深く関わっています。血流によって発生するシェアストレスの存在下で、血管内皮細胞はその形や遺伝子の発現パターンを変えることが知られています。BioFluxによるシェアストレス下での血管内皮細胞の培養は、生体に近い状態を再現できるため、様々なアッセイにおいてより正確な結果を得ることが可能になります。

キーワード / Specialized cell culture, Cell adhesion, Atherosclerosis, Mechanical loading, Thrombosis, Migration and invasion

シェアストレス下の血管内皮細胞にMonocyteが接着している様子。Tublin(緑)、WGA(赤)、Hoeschet(青)で染色。

Oncology ~ がんに関連した細胞の挙動

多くのがんにおいて転移は予後を悪化させる主要な要因となります。そのため分子レベルで転移メカニズムを解明することは効果的ながん治療法を開発していく上で重要です。

血管を介したがんの転移は、血管中に侵入したがん細胞が血流の流れに乗って転移先まで移動することで起こります。BioFluxはマイクロ流路中にて血流のフローを再現し、がん細胞が転移する環境を模倣することができます。

キーワード / Cell adhesion and rolling, Transmigration, Migration and invasion, Chemotaxis

シェアストレス下の血管内皮細胞に、マイクロ流路に流入させた大腸がん細胞(HT29)が接着している様子。

Biofilm ~ バイオフィルム、口腔環境

細菌、真菌が生体内で形成したバイオフィルムは感染症の原因となります。バイオフィルムは薬剤に対して強い耐性を持つことが知られています。

口腔内や気道では唾液や呼吸によるシェアストレスが生じており、バイオフィルムの形成やその形態に影響を与えることが知られています。そのため、シェアストレス存在下にてバイオフィルムを形成することでより生体内に近い環境下でバイオフィルム形成や薬剤応答などを観察することが可能となります。

キーワード / Biofilm growth, Mutant screens, Antibacterial or antifungal screening, Host-pathogen interactions, Adhesion strength

シェアストレス下で培養されたPseudomonas aeruginosa(緑膿菌)のバイオフィルム。

Stem Cell ~ 幹細胞の分化等に関連した挙動

幹細胞研究は再生医療や疾患モデリング、様々な難治性疾患や怪我に対する治療法の開発において重要です。シェアストレスは特定の細胞種への分化誘導や増殖に影響を与えることが知られています。

キーワード / Controlled differentiation, Growth conditions, Mechanical loading, Bioproduction

VEGFの存在下で、継続的なシェアストレス下で48時間培養された間葉系幹細胞。緑色の蛍光が分化の兆候。

特徴

  • 専用消耗品(BioFluxプレート)を用いて少量の培地でマルチアッセイが可能です
  • 0.5~200 dyne/cm2 のシェアストレスを与えることが可能です
  • BioFluxプレートの底面はガラス製またはPDMS製で顕微鏡観察に適しています

BioFlux ~ ハイスループットなシェアストレスアッセイシステム


BioFluxは、シェアストレスを付加するデバイスとマイクロ流路設計が施されたプレートから構成されています。SBS規格に準拠したプレートを用いてアッセイするため、一般的な顕微鏡でそのまま観察することが可能です。

・SBS規格プレートによる少量培地でのハイスループットアッセイ
・そのまま顕微鏡観察可能
・0.5~200 dyne/cm2 のシェアストレスを付加可能