SpecPlate 溶液を添加するだけで希釈系列ができる UV/Visプレート
試料調整の煩雑さを改善し、効率的な定量解析を実現するマイクロプレートです.
微量かつ短波長域での測定に対応しているため、様々な解析で活用されています.
煩雑な希釈系列作製を不要にするユニークな設計
濃度既知溶液の吸光度に基づき検量線をひく際に必須となる希釈系列の作製。ランベルト・ベールの法則 (A = εcl)で知られている通り、吸光度は試料の濃度 “c” と光路長 “l” に依存します。
PHABIOC社(ファビオック)のSpecPlateは右図のように光路長が異なる4つの区画をマイクロプレート内で連結させた設計となっています。Inletに添加された溶液は、各区画を順番に満たしていきます。この時、各区画を満たした溶液の濃度 “c” は同一、各区画の光路長 “l “は異なる状態です。つまり、1つの溶液を添加することで、希釈系列を作製したのと同等な測定系列の調整が完了したことになります。
このように、SpecPlateは煩雑でばらつきの原因となる希釈系列の作製を不要にする画期的なプレートです。1試料あたり36 uLで測定可能なので試料のロスを軽減することもできます。
ANSI / SLAS規格に準拠したユーザーフレンドリーな設計
光路長を固定した微量測定
マイクロプレート中の溶液は表面張力の影響により、同じ容量であっても光路長は同一とは限りません。光路長の差は測定のばらつきの一因となります。SpecPlateでは各区画の光路長が固定されています。そのため、より安定した吸光度測定が可能となります。
光路長を固定するためにセル(キュベット)がよく用いられます。セルを用いることで測定精度は向上しますが、一定量の試料溶液が必要となります。また、一般的にセルは洗浄して再利用します。そのため、測定試料数が多い場合、試料調整と洗浄の両方に手間がかかってしまいます。SpecPlateでは、1試料の測定に必要な溶液は36 uLと非常に少量です。また、1枚で最大96の試料を同時に測定できます。そのため、試料の節約とスループットの両面で測定の効率化に貢献します。
短波長域での測定に対応 ~ 核酸やタンパク質も
SpecPlateは透過性に優れたCyclic Olefin Copolymer (COC) でできています。そのため、260 nmや280 nmでの核酸やタンパク質溶液の測定が可能です。もちろん、UV-Vis領域での吸光度やスペクトル測定で使用することも可能です。
また、独自設計により従来は測定が困難であった高濃度溶液の測定も可能になりました。例えば、4区画の中で光路長が最も短い区画では100 mg/mL のリゾチーム溶液を測定することができています。このように、ダイナミックレンジが広いことも特徴です。
✓ 試料調整の手間が1/4未満に
従来は試料溶液の分注とその前後でのミキシングをしていた繰り返していた希釈系列の作製ですが、たった1回試料溶液を入れるだけで4段階の測定系列ができるようになります。
✓ 測定域と精度の向上
短波長での測定に対応している他、広いダイナミックレンジを有しています。さらに、光路長が固定されているため、安定した測定結果を得られます。
✓ ハイスループット化に貢献
一連の作業工程の中で希釈系列の作製とその測定が律速になっていることがあるのではないでしょうか。本製品では、1試料1回の分注のみで試料調整ができ、1プレートで最大96の試料を解析できます。