向流遠心クロマトグラフィーシステム CPC Centrifugal Partition Chromatography
天然物由来、製薬・化粧品関連粗精製物、食品関連サンプルなどの大量精製に!
向流遠心クロマトグラフィー (Centrifugal Partition Chromatography) とは、液液抽出の原理を応用してサンプルの分離をおこなう向流クロマトグラフィー (Counter Current Chromatography) を応用した手法です。 一般の LC で用いられる固体サポート (カラム) が存在せず、専用ローター内の異なる溶液間において成分の分離をおこないます。 カラム樹脂のような固定相への吸着が無くサンプルの全量回収が可能であり、最低限の前処理で精製開始可能、更には専用ローターはカラムのように劣化することがないためランニングコストの大幅低減が実現できるなど、「分取精製クロマトグラフィー」 として大きなメリットを有する手法です。
CPC の原理
CPC システムでは、HPLC カラムの代わりに高速で回転する「専用ローター」が装備されています。 混ざり合わない2つの液相が用いられ、一方が LC における「固定相 – カラム」の役割、他方が「移動相」の役割を果たし、サンプルは2層の分配係数 (KD) によって分離されます。 ローターの内部は多数のチャンバーで区切られています。 遠心力の効果で「移動相」がローター内の各チャンバー内を通液する構造となっており、 2層間の交換効率を向上させています。
移動相条件の決定について
CPC を使用するには、サンプルに合わせて最初に移動相の条件を決める必要があります。
独自の溶媒組成表を基に薄層クロマトグラフィーを用いて移動相条件を決定する Arizona System の使用をおすすめしています。 これを用いることで比較的簡単に条件を決定することが可能になります。
CPC のメリット ・ HPLC との違い
- カラムのような固体サポートが存在せず、溶液中で成分の分離をおこなう
- 固定相への吸着が無いため、サンプルの全量回収が可能
- 固定相への吸着、詰まりの心配がないため、最低限の前処理で使用できる
- サンプル保持力が HPLC より高く、多くのサンプルを一度に分離できる
- カラムを使用しないためランニングコストが低い ローター初期導入費用のみ
- HPLC と比較して溶媒使用量が約 1/10
- ラボスケールから工業スケールまで、スケールアップが容易
- 単一溶媒系で、逆相/順相 どちらのモードでも分離可能
アプリケーションと主な納入実績
- バイオテクノロジ―: タンパク、ペプチド、モノクローナル抗体、核酸
- 天然物: 脂質、アルカロイド、ポリフェノール、タキサン、アミノ酸、ペプチド、シクロペプチド、サポニン、糖、天然物スクリーニング など
- 合成物: フラーレン、着色剤、キラル化合物 など
カラム劣化防止のため、従来ハードな前処理を要していたサンプルの精製に!
現在、400以上のプロトコルが存在しています
アプリケーションシートはこちら
また CPC での分離をご希望のサンプルがございましたら、お問合せフォームよりどうぞご相談ください。
アルキルベンゼンの分離
フェノール混合物の分離
ブラックペッパーからのピペリンの精製
(システムは旧名、写真は旧モデルです)
システム構成
CPC システムは、分取精製 HPLC と同じく ポンプ・インジェクター・検出器等と組み合わせて使用します。
システム構成例
PLC2050 と組み合わせたコンプリートシステム