リキッドハンドラー GXシリーズ Automatic Liquid Handling System
ユーザーのニーズにあったシステム構築が可能な
ニードル式自動分注機です。
分析前処理の自動化・属人化の解消へ
ギルソン社のリキッドハンドラー GXシリーズは、分析業務における様々なサンプル前処理においてユーザーのニーズにあったシステム構築が可能なニードル式自動分注機です。 ( ▶チップ式自動分注機はこちら)
Model GX-271
~自動化アプリケーション例~
GXシリーズ 特徴
・ニードル式自動分注機
チップ式自動分注機で対応が難しい、セプタムや NMRチューブ、フラスコへのアクセスが可能です。
ニードルはアプリケーションに応じて材質(ステンレス・テフロン・PEEK etc.)や形状・太さについて最適なご提案をさせていただきます。
・液面検知機能
電位差センサーにより、容器内サンプルの液面を検知する機能を持っており、吸引時動作にニードル表面にサンプルが触れる面積を少なくすることで、キャリーオーバーを低減します。
・様々なサンプル処理から測定までの完全自動化
インジェクションモジュールを使用することで分光光度計や HPLC などと連動させ、様々なサンプル処理から測定までの完全自動化が図れます。
反応系の自動化においては、反応試薬や停止液の添加などの液体操作と共に時間管理が可能です。
・多彩なラックにより自由度の高い自動化が可能
100種類以上の標準ラック ⇒ ラック一覧
様々な特注ラックに対応。温調や撹拌機能付きのラックもございます。
仕様・価格
基本仕様
◆システム構成
- アームロボット:XYZ方向へ稼働し、ワークエリア内にレイアウトされた試験管やバイアルをはじめとする任意の容器へアクセスをします
- シリンジポンプ:アームロボットと配管で接続されており、液体の吸引吐出を精密にコントロールします
- PC/ソフトウェア:ギルソン社のリキッドハンドラー専用ソフト(TrilutionLH)により目的に応じた動作プログラムの作成、実行をします
◆分注動作模式
*1,*2) 通液ラインは常時、リザーバー溶液で満たされた状態になっており、シリンジポンプの 吸引動作により、ニードル先端より溶液を吸い上げます。その際、リザーバー溶液と吸引溶液が混ざることを避けるため、エアーギャップを挟みます。
*3)各分注ステップの間に、リンスポートにてニードルの洗浄工程(内側外側の双方)を挟むことで、サンプル間のコンタミネーションを抑制します。
モジュール
◆アームロボット(GX)
GXシリーズは用途に合わせて3サイズのモデルをご用意しております。
GX-241 | GX-271/GX-274 | GX-281 | |
---|---|---|---|
外観 | |||
外寸法/重量 | (W×D×H):390x 500x 470mm 7.7 kg (Zアーム付) | (W×D×H):597x 541x 571mm 22kg (Zアーム付) | (W×D×H):889x 762x 965mm 68kg (Zアーム付) |
電源仕様 | 入力:100 – 240 VAC 50 / 60 Hz, 最大消費電力 150 W | 入力:100 – 240 VAC 50 / 60 Hz, 最大消費電力 250 W | 入力:100 – 240 VAC 50 / 60 Hz, 最大消費電力 500 W |
試験管設置可能イメージ | 18×100mm 試験管:44本分 | 18×150mm 試験管:210本分 | 18×150mm 試験管:420本分 |
希望小売価格 | ¥5,340,000~ | GX-271:(シリンジポンプ仕様) ¥5,929,000~ GX-271:(シリンジレスポンプ仕様)¥7,224,000~ GX-274: ¥10,049,000~ | ¥10,110,000~ |
※価格にはシリンジポンプ、制御用ソフト、PCが含まれています。別途ラックが必要です。 | ※単独で使用する際は、別途制御用ソフト、PCが必要です。 ※別途ラックが必要です。 |
◆シリンジポンプモジュール
ステッピングモーター駆動の送液システムです。
シリンジは100 ul-25 mLの7種類よりアプリケーションに応じて交換が可能です。 VERITY4220
Verity 4020 | Verity 4120(※) | Verity 4220 | |
---|---|---|---|
外観 | VERITY4020 (シングルシリンジ) | VERITY4120(*1) (デュアルシリンジ) | VERITY4220 (デュアルバルブ/デュアルシリンジ) |
外寸法/重量 | (W×D×H):146x 171x 269mm 4.4 kg | (W×D×H):226x 171x 269mm 6.8kg | (W×D×H):226x 171x 269mm 7.1kg |
電源仕様 | 24V DC 1A 24W | 24V DC 2A 48W | 24V DC 2A 48W |
容量精度 | ±2%(シリンジ容量の10%-90%の範囲/Water) | ||
希望小売価格 | ¥958,000 | ¥1,460,000 | ¥1,590,000 |
(※) Verity 4120 は、向かって左のバルブ内部が Tee 構造になっており、左右に異なる容量範囲のシリンジを取り付けることで、シングルシリンジの時よりも幅広い容量範囲でご使用いただくことが可能です。
◆シリンジラインナップ
シリンジ | 品番 | 標準使用容量範囲 | 最大流速 | 希望小売価格 |
---|---|---|---|---|
SYRINGE 100 μL | 25025341 | 10 µL ~ 100 µL | 4 mL/min | ¥118,000 |
SYRINGE 250 μL | 25025342 | 25 µL ~ 250 µL | 10 mL/min | ¥105,000 |
SYRINGE 500 μL | 25025347 | 50 µL ~ 500 µL | 20 mL/min | ¥104,000 |
SYRINGE 1 ML | 25025343 | 100 µL ~ 1 mL | 40 mL/min | ¥116,000 |
SYRINGE 5 ML | 25025344 | 500 µL ~ 5 mL | 100 mL/min | ¥108,000 |
SYRINGE 10 ML | 25025345 | 1 mL ~ 10 mL | 100 mL/min | ¥141,000 |
SYRINGE 25 ML | 25025346 | 2.5 mL ~ 25 mL | 100 mL/min | ¥231,000 |
※表示の価格は希望小売価格で、消費税は含まれておりません。
ソフトウェア
アプリケーション
アプリケーション 一例
ギルソン社のリキッドハンドラーGXシリーズは、ユーザーのニーズ合わせてシステム構築が可能です。下記は代表的なアプリケーションの一例です。
アプリケーション | 概要 |
---|---|
▶分光光度計/蛍光光度計自動前処理システム | フロースルーセルを用いて分光光度計へのインジェクション、前処理の試薬添加や希釈操作等も含めて自動化します。 |
▶固相抽出自動化システム(ASPEC) | 市販の1ml/3ml/6mlの固相抽出カラムの工程を自動化、加圧式で高い再現性が確保できます。 |
▶無機分析用前処理システム | ICP発光/原子吸光分析の前処理で希釈や試薬混合等の工程を自動化します。接液部に金属を排除し、酸分注も可能に。 |
溶出試験用自動希釈システム | 任意の倍率に希釈可能な、汎用性の高い希釈システム |
HPLC分析前処理装置 | 希釈、内部標準添加、撹拌からフィルトレーションまでの工程を自動化 |
▶合成反応自動化システム | 多種の試薬添加、温調&撹拌ラックによる合成反応自動化 |
環境分析前処理システム | 環境水、排水などの大容量サンプルをICP/原子吸光で分析する際前処理を行います。キレート樹脂固相による脱塩、濃縮の自動化が可能です。 |
▶ペプチドマッピング自動化システム | 温調、撹拌機能を駆使し煩雑なペプチドマッピング工程を自動化 |
オートサンプラーバイアルへの移し替え | 任意のオートサンプラーバイアルへの移し替えを自動化、更には オートサンプラーラック自体をワークエリアに設置することも可能。 |
チェリーピッキング自動化 | 任意の位置からサンプルをピッキングし、並べ替え作業を自動化 |
▶導電率測定オートメーションシステム 223ACD-16 | 薬局方第17条改正に対応、局方 に準拠した形で導電率測定を 完全自動化 |
それぞれのアプリケーションは、▶こちらの動作 を組み合わせて構築します。
アクセサリー
◆ラック
GXシリーズには、あらゆるアプリケーションのニーズを満たすために、100種類以上の標準ラックとカスタムラック(※)を提供しています。
現在使用しているバイアル類を極力変更することなく自動化が出来ます。
※温調&撹拌機能付きラック、NMRチューブ、ナスフラスコ etc.
カスタムラックや、ご使用バイアルの対応の可否についてご相談に応じます。
お気軽にお問い合わせください。
代表的な標準ラック
- 22U
10×100㎜ ~ 18×180㎜試験管 44本 - 23
17×55㎜ シンチレーションバイアル44本 - 29LE
1,5mL eppendorfバイアル 60本 - 211
48 x 113 mm (125 mL) - 228
500 or 700 mL ソルベントリザーバー 4 本 - 330
12 x 32 mm (2 mL)バイアル 60 本 - 333
25 x 50 mm シンチレーションバイアル
(20 mL)14 本 - 334
シンチレーションバイアル 40 mL 14 本 - 335
WISP 試験管15 x 45 mm(4 mL)48 本 - 336
96 ウェルマイクロプレート
(Deep or Shallow) 2枚
代表的なカスタムラック一例
MAGIC Stir(マジックスター)
ラック内部にスターラーを内臓、攪拌力調整、温度調整機能を持つ万能スターラーです。
酵素反応 / 有機合成 / 溶解性試験 / 結晶多形ほか、幅広い用途に使用可能。攪拌を伴う試験研究を協力にバックアップします。
◆インジェクションモジュール
HPLC オンライン分析を可能にします。(GX-271)
インジェクションポートとバルブとの間のデッドボリューム最小化によりサンプルループへのローディングに先立つフラッシュ容量低減を実現、微量サンプルの無駄を最小限に抑えるインジェクションが可能です。
◆フラクションバルブモジュール
アーム最下部にフラクションバルブを取り付け、検出器のアウトレットラインを直接接続するため、サンプルインジェクションに関わる処理の終了後直ぐにフラクションを開始できます。
素早い動作で大容量のフラクションが可能です。
◆GXエバポレーションステーション
GXリキッドハンドラーの各ラックと同じスペースに設置する、最大40サンプル同時処理可能な蒸発乾固システムです。
従来オンラインで行われていた蒸発乾固処理までを自動化に組み込むことで、一連の作業時間の大幅な短縮を実現します。蒸発乾固は100℃まで加熱可能なペルチェ式温調システムとバキューム、窒素などの不活性化ガスの供給により行われます。
◆分光(蛍光)光度計用 低圧インジェクションポート
分光(蛍光)光度計へのサンプル注入を可能にするポートです。当ポートを採用することで測定までを自動化します。
◆リンスポンプモジュール
リンスステーションは、低キャリーオーバーを実現するため工夫された構造をしており、通常はリザーバーから送られるリンス液でニードルを確実に洗浄します。
オプションのリンスポンプを併用すればより効率的にリンス工程を進めることができます。
◆VALVEMATEⅡ
最大10流路まで切り替え可能なバルブモジュールです。溶媒セレクションの他、環境水などの大容量サンプルの切り替えに対応します。
◆シリンジレスソルベントデリバリーシステム
6ポートセレクションバルブと吸入・吐出を連続して実行するシリンジレス送液システムで構成され、溶媒の切り替えと安定した送液を可能にします。(50 μL/min〜50 mL/min)
◆安全フード
安全面に配慮し、ご要望に応じて
フードのご提案が可能です。
資料
動画
サイズの違う2種類のシリンジを使用することで、分注容量にあったシリンジを選択し高精度で希釈作業が行えます。
煩雑なフィルトレーション作業が自動ができます。上から加圧しサンプルをフィルトレーションし、任意のバイアルへ回収が可能です。
ICPや原子吸光など無機分析の前処理も自動ができます。サンプルの希釈や酸の添加などを自動化できます。
液液抽出のように混ざり合わない2液の界面にニードルがアクセスし、上層を回収することが可能です。
オプションのダイレクトインジェクションモジュールを追加することで、希釈作業などの前処理後HPLCへのインジェクションまで自動化できます。
オプションでスターラー攪拌ラックを追加することでバイアルに試薬やサンプルを分注後一定時間撹拌を行い、撹拌後別の容器への移し替えやHPLCでの分析が自動化できます。
オプションの振盪ラックを追加することで、分注後に振盪撹拌を行うことができます。